ソテツの花など
1号温室、ソテツ類のベッドでは、ザミア科のセラトザミア・メキシカナ(Ceratozamia mexicana)の雌雄の花が出てきた。今年も交配は可能だろうが、去年の交配は失敗で、未熟な種子しかできなかった。タイのチェンマイで採集したソテツ科のサイカス・シンプリシピンナ(Cycas simplicipinna)も花が出てきた。これは毎年採種可能な種類だ。ザミア科のスタンゲリア(Stangeria eriopus)もうまい具合に雌雄の花が同時に出ている。雌雄の時期が揃えば大量採種も可能だが、本種の場合サイテス1類で売れないので、株のストックが増えるばかりだ。順にメキシコ、タイ、南アフリカの原産だ。



ワニ池横の土手ではミニツバキがあれこれ咲いているが、大きくなり過ぎて、写真が撮りにくく、困っている。最初のピンクはサルート(Camellia hybrid 'Salut')、次はラマーツィー(C.hybrid 'Lamertsii)、最後はスプリング・ミスト(C.hybrid 'Spring Mist')のはずだ。ツバキ科でアメリカの品種だ。



最後は先日、本園スイレン温室の上で撮ってきたツバキの品種、ミセス・ツタコ・ナカソネ(Camellia japonica 'Mrs.Tsutako Nakasone')だ。1984年、開園25周年記念に日本橋三越で開催した世界のツバキ展の際、ロスアンゼルスのヌッチオ農園に依頼して命名してもらった新品種だ。当時、私がロスに出向き品種を確認した経緯がある。当時の米国大統領夫人名を冠した品種ナンシー・レーガン(C.reticulata hybrid 'Nancy Reagan')と並べて展示会の目玉とすべく、当時の首相中曽根康弘氏夫人の名前をつけた品種をヌッチオ氏に依頼したのである。懐かしい思い出だ。



この記事へのコメント
とても魅力的な植物です。種苗も興味ありますが、大きくなるイメージが強く、栽培には手が出ません
ここで楽しく拝見します。
やはりどんな植物でも花が咲くと格別ですね!
ソテツは育ちの遅い植物ですから、見られるようになるまでに20年、30年必要です。
それだけゆったりと管理出来て、スペースにも余裕のある人でないと、たちまち持て余します。ワニ園ですら持て余し気味です。