中庭の多肉植物

たまには私が長年育てている中庭の多肉植物を紹介する。最初はオーストラリアのススキノキことキサントロエア・クアドラングラータ(Xanthorrhoea quadrangulata)だ。これは現伊豆アニマルキングダムに親株があり、丁度実生50年位のはずだ。私の恩師、飯田久氏の実生で、私がワニ園に来てから苗木をいただいたものだ。昨年初めて花芽が出たのだが、運悪くその花芽が折れてしまい、とても残念な思いをした。ツルボラン科。次はこのススキノキにそっくりなダシリリオン・ロンギッシマム(Dasylirion longissimum)で、これも数年前花芽を出したのだが、途中で枯れてしまい、植物体も根がダメになって、挿し木みたいにして仕立て直したのだ。元は5号鉢植えの苗を当園顧問、玉利幸次郎先生に1985年にいただいたものだから、これも40年だ。次もダシリリオンでレイオフィルム(D.leiophyllum)、1977年私がメキシコで採集して来た種子を前述飯田先生に実生していただき、後に苗で返してもらったものだから、これも48年だ。キジカクシ科でメキシコ原産。DSCN3983.JPGDSCN3985.JPGDSCN3992.JPG次は大群生になっているヘスペルアロエ・ノクトゥルナ(Hesperaloe nocturna)と丈が3m以上になっているユッカ・トンプソニアナ(Yucca thompsoniana)。共にメキシコのラウーさんから来た種で、前者が38年、後者が42年だ。次はノリナ・パルビフローラ(Nolina parviflora)で1988年に私がメキシコで葉っぱ数枚の苗を採集し持ち帰ったもので37年。何回か花が咲いて分頭している。これらはどれもキジカクシ科でメキシコ原産だ。DSCN3987.JPGDSCN3993.JPGDSCN3996.JPG最後はマクロザミア・ジョンソニー(Macrozsamia johnsonii)で、1号温室からここに植え出してもう10年以上だ。株がとんでもなく大きくなってしまった。これはメス株だが、入り口横に植わっている雄株と花の時期が合わず交配できないでいる。ザミア科でオーストラリア原産。もう1つ金縁ソテツ(Cycas revoluta 'Aurea')もここに植わっている。これは伊豆大島の滝沢さんからソテツの種苗交換で来たもので、これももう35年だ。DSCN3990.JPGDSCN4001.JPG

この記事へのコメント

てーしん
2025年02月17日 19:08
どの苗も学芸員様の人生と共に歴史を重ねてきたのですね
サボテンやユッカの仲間は人生のパートナーとして最適ですね!
(私も昨年はユッカやソテツの実生をしました 寿命までに開花してほしいですね!)
K・かずお
2025年02月17日 19:32
どのススキも学芸員さんから命をもらい、40年50年とっ所に歩まれたんですね👍👍
どの株も特別な履歴を持ち、歴史を刻んでますね。お見事です。
これらバルーンロゼット状に大きくなった株達は、自生地を彷彿とさせてとても立派です。
ぱんさん
2025年02月17日 23:31
今日は貴重なお話をありがとうございました。とても勉強になりました。
年パスを購入したので、季節の花や成長過程を楽しみにまた伺います。
アンスもエクメアもチランジアも大好きです!
学芸員
2025年02月18日 12:16
てーしんさん、K.かずおさん、
30年、40年なんて、植物を扱っているといつの間にかという事です。私が長年ワニ園にいる役得みたいなものです。これで花が咲いてくれれば最高です。

ぱんさん、
昨日はいろいろお話しできて楽しかったです。またゆっくり遊びに来て下さい。