奄美大島でソテツコナカイガラムシが猛威を奮い、島のソテツが全滅するのは時間の問題みたいだ。今日は友の会のソテツ好きの会員が見えたので、園でも如何にカイガラムシの被害がひどいかを、1株1株説明しながら、目に付くカイガラムシを潰していた。とは言ってもここはカイガラムシに殺虫剤をかけていないわけではない。実は昨日もマツグリーン乳剤を20リットル散布している。これで今年10回目だ。エンジン付きの20リットル背嚢型噴霧器でだ。
日誌でチェックすると
1月5日  マツグリーン乳剤  30リットル x250倍
2月1日  スプラサイド    20 x1000
2月22日 スプラサイド    20     x1000
3月18日 マツグリーン乳剤  40   x250
4月12日 マツグリーン乳剤  40   x250
4月14日 マツグリーン乳剤   20   x250
4月18日 マツグリーン乳剤   20 x250
5月19日 スプラサイド    20   x1000
6月17日 スプラサイド    40   x1000
7月11日  マツグリーン乳剤  20 x250
(表が原稿通り等間隔に表示できず申し訳ありません。)


以上の通りで異常な位消毒しているのがわかるだろう。特に4月の3回はカイガラムシの被害の酷い葉を切り捨てて、残った葉を消毒したのだが、手を入れれば入れる程カイガラムシが見えて来て、今日も、また今日もと消毒を繰り返したのだ。それから1ヶ月経って、新芽が一斉に伸び始めると、早くもカイガラムシのたかっているのが見える。それを見える所は指で潰し、さらに薬をかけたということで、5月から新芽に合わせて昨日まで3回消毒したということだ。それでもまだまだカイガラムシは見える。このようにあの狭いソテツの地植えスペースを相手に私は40年以上、こういう管理を繰り返しているのだ。過密が最大の原因だが、外に植えられる種もスペースも限られており、行き場のないまま、窮屈な管理を続けているのだ。
普段、地味なソテツコーナーを皆さん、ろくに見ずに素通りするが、私の血と涙の結晶だということを知ってもらいたくて、今日は記事にした。
だから私は、奄美大島のカイガラムシ被害の現状が手に取るように理解できるのだ。沖縄全島のソテツが全滅するのも、本当にオーバーな話ではないのだ。
ワニ園のワタカイガラムシではソテツは放置しても枯れるまでは行かないが、奄美のソテツコナカイガラムシは罹患したら必ず枯れる。だから恐ろしいのだ。画像は昨日と同じだが、テーマがテーマだけにご容赦願いたい。台湾のタイワンソテツ(Cycas taitungensis)、中国のサイカス・パンジーファーエンシス(C.panzhihuaensis)、タイのサイカス・ペクチナータ(C.pectinata)、メキシコのディオーン・スピヌローサム(Dioon spinulosum)とディオーン・ルツェドウスキー(D.rezedowskii)とヒロハザミア(Zamia furfuracea)、南アフリカのエンセファラートス・レボンボエンシス(Encephalartos lebomboensis)の順だ。DSCN6459.JPGDSCN6457.JPGDSCN6463.JPGDSCN6475.JPGDSCN6473.JPGDSCN6479.JPGDSCN6477.JPGDSCN6469.JPG