エケベリア・トリマネンシス
今研究室の窓辺でエケベリア・トリマネンシス(Echeveria tolimanensis)が咲いている。4月に掛川の花鳥園の方がお土産に持って来て下さった株だ。化け物みたいに大きくて驚いたのだが、私にとっては思い出の植物の1つ。トリマネンシスはバランカ・デ・トリマン(トリマン渓谷)に生えているからこの名があり、記載したのは松田先生だ。確か1974年の正月、私は金鯱の谷を目指して、最寄りのシマパンの町に出かけ、ホテルにチェックイン後、時間が早かったので足慣らしのつもりでトリマン渓谷の散策に出かけた。このトリマネンシスが見られるかも知れないからという欲目があったからで、早速路傍の岩山で開花中のパキフィツム・グルティニコウレ(Pachyphytum gultinicaule)を見つけた。喜んで岩壁に取り付いた瞬間、足を滑らせて落ちて足首を捻り、軽い捻挫になってしまった。翌日、20km以上歩く金鯱行はまともな足でも難行なのに、この足では不可能。泣く泣くメキシコ・シティーに引き返した苦い思い出がある。トリマネンシスをその後メキシコで見たかどうか、記憶にないのだが、その後自分で育てた事はある。だから懐かしいのだ。ベンケイソウ科。
園のセンコウハナビ(Haemanthus multiflorus)も満開になって鮮やか。ヒガンバナ科で南アフリカ原産。我が家ではアジサイが見頃を迎え、夜はモリアオガエルが賑やかで、産卵も間も無くだろう。最初はダンスパーティー(Hydrangea hybrid 'Dance Party')のピンク、次が青、同じ木なのに2色で咲いている。華やかさの好きな私の好みは勿論ピンクだ。坂嵜さんのラグランジア・ブライダルシャワー(H.hybrid 'Laxrangea Bridal Shower')もようやく花が大きくなって、それらしくなってきた。花が小さい間はアマギアマチャそっくりで、驚くほどだった。アジサイ科で日本原産。






ムラサキツユクサのスウィート・ケート(Tradescantia ohiensis'Sweet Kate')も花が多くなって賑やかになってきた。ツユクサ科で北米原産。スイレンではヒメスイレンのレイデケリー・ローゼア(Nymphaea hybrid 'Laydekeri Rosea')がよく咲いている。逆に熱帯性スイレンが冬越しの状態が悪くて、みんな株分かれしてしまい、1つづつの株が小さくて前途多難だ。スイレン科


リビングのアマリリスではブラジル原産の原種ストリアータム・クロカータム(Hippeastrum striatum var.crocatum)、交配種のアンザルドイxパロディー(H.anzaldoi x H.parodii)などが咲いているが、もうアマリリスのシーズンも終盤だ。

この記事へのコメント
バランカ・デ・トリマン(トリマン渓谷)では捻挫程度で済んでよかったですね
もう少しで、遭難騒ぎでした。
でも自生地の植物はさらに美しいのでしょうね!
その後リベンジ金鯱行は出来たのでしょうか?
この1週間後に金鯱行を決行し、川の対岸から、はるか高みの崖に生育する金鯱を見ることができました。しかし実際にそばまで行けたのは、その3年後の1977年、川の反対側の町から挑んだ時でした。この時は谷底の小学校に泊めてもらい、3日がかりの金鯱行でした。