ロイ・オスボーン氏来園
本日、オーストラリアのソテツ専門家、ロイ・オスボーン氏が来園した。氏は昔、南アフリカの大学で教授をしており、南アフリカソテツ協会の会長でもあった方だ。それが突然、オーストラリアに移住して、ソテツのナーセリーを始めたから随分驚かされたものだ。私は多分、定年を機に新天地のソテツを見たくて移住したものだと思っていたのだが、今日裏話を聞いて、心底驚かされた。黒人のネルソン・マンデラ氏が大統領になったことは美談として有名だが、そのおかげで大学の白人教授は全員解雇され路頭に迷ったのだという。そこで、オスボーン氏はアメリカもヨーロッパも嫌だからとオーストラリアへの移住を決意したのだという深刻な実情があったのだ。氏には、私が南アフリカのソテツ協会誌に投稿した際手伝ってもらったし、当園友の会会報にソテツの写真をお借りした事もある。だから今回の来園はとても嬉しかった。園内のソテツを前にしてああだ、こうだと議論をし、記念写真を撮ったりして和気藹々と過ごした。書き忘れたが、今日はJapan Cycad Societyのお二人も参加して、話を盛り上げてくれた。最後は河津の正木家のオオソテツを見せに連れて行こうかとの話になったが、そこまでは迷惑はかけられないと2時半過ぎにお帰りになった。聞けばもう2週間も前から奥様と来日しており、全国を観光して回っているらしいが、80歳というのにお元気なのには驚いた。週に一回は5kmのジョッキングをしており、東京滞在中は二子玉川ランニングコースを走ったのだが、コースレコードを出したと証明書を見せてくれた。なんとも頼もしい話である。画像は本園で見たサイカス・ムルティピンナータ(Cycas multipinnata)の雄花、とタンキンギー(C.tanquingii)の雄花。たまには本園も見に行かなければダメだと言うこと。ソテツ科で中国原産。6号の外ではベスコルネリア・アルビフローラ(Beschorneria albiflora)が満開だった。キジカクシ科でメキシコ原産。展望室内ではジェードバイン(Strongylodon macrobotrys)が満開だった。マメ科でフィリピン原産。



画像は関係ないが、我が家のサボテンだ。刺物では新たに竜眼(Ferocactus viridescens)が咲き始め、黄彩玉(F.schwarzii)、太平丸(Echinocactus horizonthalonius)3タイプ。横に写っているのはボリビア原産の光琳玉(Gymnocalycium cardenasianum)だ。眠獅子(Thelocactus phymatothelos)も1輪咲いていた。後輪以外はメキシコ原産だ。









この記事へのコメント
中々こちらで、ソテツ談議が出来る方も無いので、素晴らしい再会でした。
年配の教授はナーセリーも始められてしかも、まだまだ若いモノには負けないぞとばかりに体力的にもそなえておられ、これは今度は学芸員さんがナーセリーの表敬訪問をする番ですね。 私も付いて行きたいくらいです。
今度は学芸員さんが遊びに行ってお土産にワニのひとつふたつをぜひ(`・ω・´)ゞ
植物を前にすれば言葉の壁などありません。勿論、お会いするのは初めてでしたが、駅で迎えた時から、旧友のような感じで、似たもの同士だなと感じました。彼は80歳なのに、スマホを見るにもラベルを見るにもメガネを使わないのには驚きました。老眼がないどころか、視力が1.5くらいはありそうで、これは驚異でした。あと20年は大丈夫そうですね。
遠路、ありがとうございました。またゆっくりお出かけ下さい。