ソテツの手入れ

ここ1週間程、痛い思いをしながらソテツの手入れをしている。マツグリーン乳剤の250倍で20リットルを散布し、その翌日、死んだカイガラムシを洗い直す作業をした。しかし、いざソテツの葉を動かして、葉を洗ってみると、その下にカイガラムシがベッタリで、とても一筋縄では行かないことを理解した。そこで、ベッド中央で、最も混み合っているエンセファラートス・ビローサス(Encephalartos villosus)の被害葉を50枚位バサバサ切って、風通しが良くなるようにして、再びマツグリーン乳剤を40リットル位散布した。そして翌日、今度はアンスリウム側の角に植わっている、ヒロハザミア(Zamia furfuracea)の葉を洗い、カイガラムシを落とし始めたら、これも見えない側はカイウガラムシがビッシリで、諦めて、全ての葉を切って片付けた。勿論、葉を全部切るのは植物にダメージが大きいし、やりたくないのだが、そうでもしないとカイガラムシを減らせないというので、最後の手段だった。最初は半分位切って遠慮しいしいやっていたのだが、結局坊主にしてしまった。総じてザミア属の植物にカイガラムシはつき易いので、今回は地際で群れ立っているタイプは皆坊主にしている。ソテツは年に1回か2回新芽を展開するので、その時点で古い葉を全部切り捨てれば、混雑予防になるし、カイガラムシのコントロールも出来た。しかし植栽後50年も経って、混雑度もピークに達し、酷い所では数種のソテツの葉が10枚、20枚と重なっていてどうしようもないのだ。だからビローサスの葉を50枚も切るという暴挙をしないと手の付けようがなくなってしまったのだ。もう1日下葉などを手入れして、今度はスプラサイドを坊主にしたザミアなどに散布して仕上げにしようと思う。ちなみにスプラサイドは中国系のサイカス属の新芽には薬害が出て葉がダメになってしまうので、この時期使いたくはないのだが、最後の手段で仕方ない。このように40年余りカイガラムシと戦い続けているので、奄美大島におけるソテツコナカイガラムシの侵入を聞いて、その容易ならざる将来を危惧したのだ。写真は、2株掘り上げて本園に移動した跡地。この周辺の手入れから全ての作業は始まった。2枚目はカイガラムシの目立つマクロザミア・ミケリー(Macrozamia miquelii)。坊主にしてしまったヒロハザミア。雄花の出てきたサイカス・ペクチナータ(Cycas pectinata)とシンプリシピンナ(C.simplicipinna)雌雄株、ミコリッチー(C.micholitzii)の雌株など。ちなみにマクロザミアはザミア科でオーストラリア原産。ヒロハザミアはザミア科でメキシコ原産。最後のサイカス3種はタイ、ベトナム原産でソテツ科だ。今日はこの記事を書くだけで気分が落ち込み、暗澹たる思いだ。
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この記事へのコメント

K・かずお
2024年04月18日 15:31
ソテツの手入れ、毎度のことながらご苦労様でした。
カイガラムシ厄介ですね。どこからやって来たんでしょうね?
品種によって薬害が出るのって初めて知りました。
昔の中学生の様に丸坊主になって、雄花が可愛いですね。
この後はサボテンを愛でて気持ちを切り替えましょうね!
学芸員
2024年04月19日 11:12
K.かずおさん、
ソテツのカイガラムシとは40年来のつきあいですが、今まで、こんな酷かったことはありません。株が育って混み合っているせいですが、それにしても凄まじい被害で、参ってしまいました。