アンスリウムが絶好調
分園1号温室でハワイの花として有名なアンスリウム(Anthurium hybrid)が満開になった。今、圧倒的な数の花が咲き誇っており正に圧巻、見事なものだ。



当園では1982年8月、ハワイの日系2世の園芸農家モリワキ氏の協力を得て、85品種のアンスリウムを導入したのが今日の基礎となっている。その後、オランダからの導入品種などが加わって現在のコレクションを形作っている。現在地に植えてもう30年になると思うが、今年ほど見事に咲き揃ったことはない。コレクションの中には、モリワキ氏が初代木村亘園長との友情を記念して命名した「ワタル・キムラ」(A.andreanum 'Wataru Kimura')という品種もあり必見。下の画像で白地に赤のスプラッシュだ。またハワイ大学のカメモト教授が作出した、世界初の紫花品種「ARCS」(A.amnicola hybrid 'ARCS')も植えられていて、そのユニークな色合いがお客様も注目のまと。これには紫小輪の原種アムニコラの血が入っている。
なおオランダの品種はツバキ展で散々世話になった伊豆大島在住の友の会客員会員、故寺田 博氏に寄贈されたものだが、当時の記録がコンピュータのクラッシュで失われてしまい、私の記憶だけにしか残っていないのが残念。下のピンクがオランダ系のチューリップタイプの品種。
なお、今年の好調の原因は昨年土壌改良の目的で200袋もの山土を補給し、栽培環境を整えたからだと思う。またこの6〜7月の蒸し蒸しした雨陽気がジャングル育ちの彼らにぴったりでその生育を加速させたのだろう。アンスリウムの1本の花は2ヶ月から半年も観賞出来る。だから今の満開状態を今後数ヶ月は楽しめると思う。下の赤はオザキ・レッド(A.andreanum 'Ozaki Red')、3枚目はレッド・バタフライ(A.andreanum 'Red Butterfly')。4枚目は苞の先がヒョロヒョロ伸びるオバケと呼ばれるタイプの八重(A.andreanum 'Double Obake')。最後の方の最も濃い紅色はダブル・レッド(A.andreanum 'Double Red')。黒バラの赤だ。






なおこれら日系人が作り上げたアンスリウムの切り花産業は、その後病気で全滅したと聞く。今のハワイの品種群は新たに開発されたもので、日系人は関与していないようだ。だから38年前に導入されたこれら品種は、日系人が作ったアンスリウムの遺産なのだ。








なお、今年の好調の原因は昨年土壌改良の目的で200袋もの山土を補給し、栽培環境を整えたからだと思う。またこの6〜7月の蒸し蒸しした雨陽気がジャングル育ちの彼らにぴったりでその生育を加速させたのだろう。アンスリウムの1本の花は2ヶ月から半年も観賞出来る。だから今の満開状態を今後数ヶ月は楽しめると思う。下の赤はオザキ・レッド(A.andreanum 'Ozaki Red')、3枚目はレッド・バタフライ(A.andreanum 'Red Butterfly')。4枚目は苞の先がヒョロヒョロ伸びるオバケと呼ばれるタイプの八重(A.andreanum 'Double Obake')。最後の方の最も濃い紅色はダブル・レッド(A.andreanum 'Double Red')。黒バラの赤だ。







この記事へのコメント
現在の勤務先の社長は、20年以上前に、ハワイのアンスリウム農園で研修を
されたそうです。今の日本の市場ではアンドレ系よりアム二コラ系のコンパクトな鉢物のほうが需要がありそうです。様々な花物でゴージャス、よりも可愛い、
が人気の傾向があり、バラでさえそういう方向性になっているように感じます。