夜の王女の季節
夜の女王(Selenicereus macdonaldiae)の開花期が過ぎ、1ヶ月で夜の王女(S.pteranthus)の出番となる。我が家の王女様は、昨年株を更新したので、尺鉢2つでも花は10輪位しか咲きそうもない。そのうち4輪が昨晩咲いた。蕾が東南の方、要するに温室の外向きについたため、写真が撮りづらくご覧のような結果に。花は女王様よりはるかに小さいが、バニラのような甘い香りは本種の方がはるかに上等だ。これらはメキシコから熱帯アメリカに広く分布する。同じく夜咲きのペニオセレウス・ストリアータス(Peniocereus striatus)も昨晩1輪だけ咲いた。写真の方が奇麗に写っている感じで、実際は直径7cm位の小さな花だ。本種は盛期になると30輪位咲くかも知れない。私は40年も昔、カリフォルニア半島の先端部で本種の結実株を見たことがある。夜咲きではなく、咲きっぱなしなのがボリビア原産、サルノシッポことヒルデウインテラ・コラデモノニス(Hildewintera colademononis)で今年2度目の開花ピークだ。花着きが良くて、繰り返し何度も咲いてくれるので、サボテン愛好家にとってはとても嬉しい存在だ。昨夏接いだ繁殖株もみんな蕾を着けており、殖やしていても楽しい存在だ。次の2枚は昼咲きだが、余り写真を紹介していないので、ついでに掲載する。2つともメキシコ産だ。最初はテロカクタスの白刺玉(Thelocactus leucacanthus)。金鯱(Echinocactus grusonii)やロフォフォラ・ディフーサ(Lophophora diffusa)の自生地の近くで見られる植物で、地味だが、花は美しい。次はチュルビニカルプス・クラインジアヌスの変種でミニマス(Turbinicarpus krainzianus var.minimus)だ。マッチの頭程度の株が群生して滅多に花を付けないが、先日珍しく開花した。花の直径は5mmくらいしかない。亡くなった平尾さんは小型のサボテンが好きで、これも氏にいただいたものだが、盛んにネオテニー(幼形成熟)と口にしていたのが懐かしい。ただネオテニーとはウーパールーパーなど動物で使われる用語で、余り植物では使わないようだ。
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